越中荏原駅から上り方面の列車に乗り、電鉄富山駅の一駅手前、稲荷町駅まで戻って下車。

・・・なぜ途中下車したかというと、ここ稲荷町駅には富山地方鉄道の車両基地がありまして、そこに私たちが最も出会いたかった車両がいたからでした。

富山地方鉄道 8590系

その車両とは、つい最近まで東急大井町線で活躍していた東急8590系!!
(※大井町線の8590系は2013年6月頃まで営業運転に入っていました。)

東急線沿線からはるばる富山の地までやってきたこの車両を一目見たい!・・・というのが今回の遠征のメイン目的でした。


さてその東急8590系ですが、富山地方鉄道へは8692F、8693Fの両先頭車+部品取り用の中間車1両の合計5両が譲渡されました。ちょうど2番線ホーム(本線の電鉄富山方面ホーム)のすぐ脇に1編成留置していましたので早速チェックしてみると―。

富山地方鉄道 8590系

まずは外観。
車番プレート、東急の社紋プレートが取り外され、誤乗防止のため貼られていた大井町線ステッカーが剥がされている以外は特に大きく目立った変更点はありません。

前面、側面の帯は富山地方鉄道のカラーリング(3色の旧塗装か2色の新塗装)に準じた色になるのでしょうか?個人的には東急時代の姿を色濃く残してくれる方が嬉しいですが、全く新しいカラーリングというのもそれはそれで新鮮味があっていいかもしれませんね(笑)

富山地方鉄道 8590系

お次は足回り。見慣れないグレーの機器が見られましたので多少増設されているようです。
北陸地方という環境を考えると、恐らく冬場の耐雪、耐寒用装備と思われます(※あくまでも個人的な推測です。)が、模型化に際しては重要なポイントになりそうですね。


富山地方鉄道 8590系

ひととおりチェックを終えた後は残った3両を探してみると・・建屋の中にいました。
詳細はわかりませんが、貫通扉が開いていることから、主に運転台周りの整備をしているようでした。

富山地方鉄道の公式サイトによれば、今月9月からデビューする予定とのことでしたので急ピッチで作業が進められているのでしょう。

富山地方鉄道 8590系

それにしても2ドア、クロスシート車ばかりの富山地方鉄道にまさか4ドアロングシートの東急車が譲渡されるとは夢にも思いませんでした。
北陸新幹線の開業で近い将来、旅客需要が増えることを予測しての投入なのでしょうか?

ステンレス車体にワンハンドルマスコンなど、様々な面で富山地方鉄道にとって「初めて尽くし」となる8590系-。この全く志向の異なる異端児?は果たして新天地富山の地に馴染めるのか?私としては長く活躍してくれることを願うばかりです。

とにもかくにも8590系改め富山地鉄〇形(どんな形式になるんでしょうか?)がデビューするその日を楽しみにしつつ、私たちは再び列車に乗って電鉄富山駅へ戻ったのでした。

⇒次回へ続く