知っている人は知っているけれど、知らない人は全く知らないであろう、京阪電鉄の移動変電所(※タイプ)の模型製作ー。

無蓋車ができたところでお次はペアを組んでいる有蓋車を作ろう!と思った矢先、ひとつの疑問が浮かび上がってきました。

・・・それは『移動変電所は当然自走できないだろうから、牽引した車両はいったいなに?」という点ー。

早速、資料やネットなどで調べたところ、どうも移動変電所と同様、架線電圧の1500V昇圧化を機に引退した1300系が牽引していたようです。

しかし、1300系は手元にいないのはもちろんの事、お手軽な完成品モデルとしてもまだ発売されておりません。・・・ということで、牽引車たる1300系も作らねばならないという新たな課題がここに生まれましたので、こちらを先に作ることにしました。

京阪電鉄 移動変電所

とはいっても、1300系のキットもそう簡単には見つからない(そもそもない?)と思ったので、「移動変電所もタイプだから1300系もそれっぽいもので代用しよう。」というコンセプトでササッと作成しました。

京阪電鉄 移動変電所

今回、1300系タイプの車両を作成するにあたって、資料などを見ながら下記の点を考慮しました。

1.通称「運輸省規格型」の車体をベースに使用する。(※京阪1300系の場合はA’型)

2.移動変電所の登場が1958年なので、塗装は若草色+青緑色の旧一般車カラーにする。

3.3ドア化改造後ではなく、登場時の2ドア車体とする。(登場~1967年頃まで?)


まずはベースとなる「運輸省規格型(A’型)」の車両を探すことからはじめたところ、TOMYTECの【鉄道コレクションシリーズ 第14弾】に運輸省規格型(A'型)の車両がいることがわかったので、そこからチョイスすることにしました。

・・・とはいえ、細かく見てみると窓の枚数や形状が異なっていたり、ウインドウ・シル/ヘッダーがなかったりと、さすがに1300系と全く同じドンピシャな車体は見つかりませんでしたので、いろいろと検討した結果、【大井川鐵道モハ3829+クハ2829】を採用しました。

京阪電鉄 移動変電所

ただ【モハ3829+クハ2829】を京阪カラーに塗っただけではさすがにタイプ過ぎると思ったので、下記の点を加工しました。

1.【クハ2829】の電装化

1300系は制御車も在籍しておりましたが、電動車の方が両数は多かったこと、また重装備な移動変電所を牽引するのに1M1Tの編成ではちょっと頼りなさそう・・・と思い、電装化することにしました。

ただ1300系は両運転台の車両を片運転台化改造する際、運転台を撤去した向きが偶数号車と奇数号車で違ったようなので、その点を再現するため、同じく第14弾のラインナップに含まれている【豊橋鉄道モ1721】の屋根板を流用しました。


2.前面の加工

京阪1300系の前面窓は車掌台側が2段だったのに対し、大井川鐡道【モハ3829+クハ2829】は両側とも1段でしたので、銀色の塗料を使って2段窓風にしてみたほか、前照灯パーツの交換、貫通幌の取り付けなども行いました。

・・・ホントは前面のワンマン表記を消したかったのですが、納期の関係で割愛してしまいました。。。



・・・昇圧前の京阪電鉄の車両に詳しい方でしたら、おそらく実車の1300系との違いはたくさん出てきてしまうかとは思いますが、ひとまず京阪電鉄っぽい車両にはなったのではないでしょうか?

なにはともあれ牽引車もこれで完成しましたので、次はいよいよ移動変電所の残った有蓋車の方を製作していきたいと思います。


⇒次回へ続く