マイクロエース【東京メトロ8000系更新車・改良品セット】② (2019年9月14日)
はい、という訳で今回は、2010年12月に発売された【東京メトロ8000系タイプ 更新車セット(品番A3589、A3590)】と、今回発売されました【東京メトロ8000系更新車・改良品セット(品番A3581、A3582)】を比較してまいりたいと思います。
なお、以降は前者を「旧製品」、後者を「改良品」と称しますのでご了承ください。
まずは両車にとって最大の違い?であり、改良品にとっては最も重要といえる部分をご紹介ー。
最大の違い、それは車体の裾部分でした。
旧製品はストレートになっているのに対し、改良品は絞られているのがおわかりになるかと思います。
実車はもちろん、改良品の形状と同様になっておりまして、旧製品名に「タイプ」と銘打たれている理由にもなっています。
なぜ旧製品が「タイプ」になったのかと言いますと、2009年に発売された【東京メトロ6000系 後期型 更新車セット(品番A3574、A3575)】のボディを流用して製品化されたからです。(※6000系の車体裾部分は絞られていないので、「6000系としては正しい」車体形状になります。)
設計や型などの部分流用は、鉄道模型あるあるなので当時は「半蔵門線の8000系を製品化してくれただけでもありがとう。」という感じだったのですが、今回、改良品のために車体を新規設計したことになりますので、これだけでもう「おおっ!買ってよかった!」と感動してしまいました(笑)
しかし、改良されているのは車体裾部分だけではありません。
まずは先頭車を比較してみましたが、パッと見ただけでも以下の違いがあります。
①車体帯、足回り、貫通幌など全体的に色調変更
②ドア部分の塗装
③東京メトロのブランドマークや車体番号標記のフォント?、サイズ変更
④妻面の転落防止幌再現
⑤連結器周りのディティール充実化
車体(※厳密には裾部分)だけきっちり改良されるなら、後は旧製品とそんなに変わらなくてもいいやくらいに思っていたのですが、塗装&印刷表現や細かいディティールの追加など、かなり広範囲にわたって、改良されているのには正直驚きました。
お次は中間車。
こちらも先頭車と同様、塗装&印刷の変更や転落防止幌の再現といった点が改良されているほか、中間車ならではの部分ということで簡易運転台部分のディティールが変更されていました。
東京メトロ8000系(※兄弟車ともいえる6000系、7000系も同様)は、検車区や工場の構内などで分割運転ができるよう、編成中の5号車と6号車が簡易運転台を使用できる仕様になっています。
ただ8000系の場合、初期の編成は車両側に簡易運転台が設置されているため、外妻面に前灯・尾灯が設置されている(6000系や7000系も同様)のに対し、後期の編成は簡易運転台ユニットを持ち込む方式に変更となりましたので前灯・尾灯がないといった細かい違いがあります。
旧製品は先にも述べたとおり、東京メトロ6000系の車体を流用している関係で前灯・尾灯の表現がありますが、改良品の方にはありません。この辺りもちゃんと「タイプ」ではなくなっているという(地味な)ポイントになります。
てっきり車体だけ改良、後はそんなに変わらなくてもいいくらいに思っていた(※実際私は車体裾部分が再現されるというだけで、即購入を決め込んだ経緯がありますので。)のですが、想像以上に広範囲の部分で改良されており、いい意味で驚きました。
お値段は今のご時世らしい?なかなかの額(※といっても旧製品が出たのは10年も前なので、比較するのはアレですが。)ですが、その価値は十分すぎると言っていいほど良い製品です。
少なくとも現段階では東京メトロ8000系の模型が欲しいならコレ!とオススメできます。
同じくマイクロエースから製品化された東京メトロ08系(※こちらは大変人気がある製品のためか、かなり高い頻度で再生産されていますね。)とともに、半蔵門線車両シリーズとして大切にしていきたいと思います。
ーおしまいー