東京の「地下」を見る② (2019年1月30日)
カテゴリー: その他のサークル活動
投稿者: 谷風皐月
いつか絶対に駅を再び開けてくださいー
この駅を守ってくださいー
・・・1997年、博物館動物園駅の営業休止直前に刻まれたであろう人々の思い。
その思いは約20年に渡る長い時を経て、ついに実現しました。
お帰りなさい、旧博物館動物園駅ー。
・・・という訳で約20年ぶりに立ち入ることを許された京成電鉄の旧博物館動物園駅ー。
私自身も親曰く、幼稚園に入る前に利用した機会がある「らしい」のですが、さすがにその時の記憶は残っておらず、私の中では有名なマンガ【こちら葛飾区亀有公園前派出所(通称:こち亀)】で同駅が登場した回があった(※後で調べたところ単行本95巻にその回が載っているようです。)という印象が圧倒的に強い駅です。
・・・改めて実際に中へ入ってみますと、間違いなく時間は過ぎていっているのに、切符売り場だった場所や駅構内の案内板など、まるで1997年で時が止まったままの空間に入り込んだような気分になりました。
そんな空間に最新?の照明やプロジェクターによるスライド投影、はたまた駅の公開に合わせ企画された美術展の作品たちが置かれているのはなんとも不思議な光景でした。
駅そのものに対してハッキリとした記憶が残っている訳でもなく、美術センスもあるのかないのかよくわからないなりに関心を持って見学、先へ進もうとしたところー。
残念ながら改札口やホームのある階層へと続く階段の手前まで。
ここから先へは進むことができませんでした。
しかしいくら廃止された駅とはいっても、ここは京成本線が走るトンネル区間。
たくさんの列車が往来していますので安全上の観点からやむを得ない処置だとは思います。
ただこの場所に再び?訪れた多くの方が思われたのか、ホワイトマーカーで自由に文字やイラストを描けるガラスの壁面には「ここから先へも行きたい。」と言った文字があちこちで見かけられました。
確かに今回一般公開されたのは旧博物館動物園駅のごく一部ですから、ちょっと物足りないと思う方は物足りないかもしれません。
しかし約20年振りに旧博物館動物園駅の時間が動き出したのもまた事実。
これからちょっとずつ、上野の新たな観光名所として花を咲かせて行けばいいのではないかと思います。
そんな旧博物館動物園駅のこれからに期待しながら、私たちは次なる目的地へ向かうべく、上野公園を後にしたのでしたー。
→次回へ続く