青梅鉄道公園

さて青梅鉄道公園内にある記念館の見学を終えた後はいよいよ、同公園の目玉ともいえる屋外の車両展示エリアへ。

私たちが訪れた2023年夏時点では合計10両の車両が展示されておりまして、順番に見ていこうと思ったのですが、その前に気になったのがー。

青梅鉄道公園

見るからに懐かしい、鉄道遊具(※写真は記念館内にあったものも混ざっています)でした。こちらはお金を入れるとライト(前照灯と尾灯?)が点灯、メロディーを流しつつ線路上を数周回走行するという、乗車体験型?の遊具となります。

・・・昔はデパートの屋上(※私の場合、たまプラーザや渋谷といった東急百貨店の屋上が記憶に残っています。)などでよく見かけたものの、今ではすっかり見られなくなってしまったこれらの遊具が青梅鉄道公園では現役、しかもバリエーションもかなり充実しておりました。

ただこの日は酷暑ということで、熱中症等のリスクを踏まえ、遊具の利用は極力控えるよう園内放送が流れていましたので、お金だけ払って誰も乗車していない状態で遊具を走行させる形で見物だけしました(笑)・・・ただ走っている様子を眺めているだけでも、まだ幼かった頃の時代を思い出して『懐かしいなぁ!』などと、大いに盛り上がるのでした。


と、いきなり脱線?してしまいましたが、改めまして遊具ではなく、本物の車両展示の方へ目を向けましてー。

青梅鉄道公園

まずは私が今回一番見ておきたかったE10型蒸気機関車ー。

E10型は国鉄が最後に正式採用(※ただし純粋な新造機としてであって、C62形などの改造名義の新形式除く)した蒸気機関車でして、最大の特徴はなんといっても形式名に「E」が冠されているとおり、動輪が5軸あること。

勾配線区用として板谷峠(奥羽本線)、矢岳峠(肥薩線)、倶利伽羅峠(北陸本線)と勾配の難所区間を転々とした後、最後は北陸本線の米原ー田村間専用機となったものの、結局登場からわずか14年という短命で全廃になってしまったという、不運な経緯を持つ車両です。

ただ不幸中の幸い?にも、E10型の廃車時期が鉄道開業90周年の頃=青梅鉄道公園の設立時期と重なったということもあってか、こちらの2号機のみが保存され、国内で唯一現存するE10型となっています。

・・・私自身は子供の頃にも見ているはずなのですが、当然のことながら当時は全く実車のことを知らない(※おそらく蒸気機関車だと認識できる程度)ので、実車のこともある程度は知っている大人になった今、こうして改めて実物を見ることができて大満足でした。

青梅鉄道公園

E10型を見物した後はもちろん、C11型蒸気機関車のトップナンバー機や0系新幹線といったほかの展示車両たちも見学ー。

・・・今回は私自身の過去の記憶話ばかりで恐縮ですが、昔は0系のカラーリングがなぜか200系新幹線のような色あいだったり、車両はすべて上屋のない露天展示だったりと、20年以上もの時が経っていれば当たり前(笑)の話にはなろうかと思いますが、結構変わった部分もあるんだなぁという印象でした。

ネットで調べたところによりますと、2007年(平成19年)にクモハ40形が仲間入りした一方でC51型蒸気機関車が大宮にある鉄道博物館へ移送、また同年に展示車両用の上屋も設置。さらに2019年に110型蒸気機関車が桜木町駅併設の商業施設へ移送されて現在に至っているようです。

とはいえ車両のラインナップ、また車両が展示されている場所自体も大々的に変わった訳ではないので、私自身はどちらかというとやはり、『懐かしいなぁ。』という印象の方が勝っておりました(笑)


ただちょっと気になるのが休園後のこれらの車両たちの処遇ー。と言いますのは青梅鉄道公園の場所柄故か?、中央線と青梅線をメインのコンセプトとしたリニューアルを行うようでして、その兼ね合いで保存車両の追加・入れ替えといった見直しが言及されております。

となりますと、0系新幹線やE10型蒸気機関車など、明らかに中央線や青梅線とは無関係な車両たちも含まれておりますので、これらの車両たちが引き続き青梅の地に残るのか、それとも他の場所へ移送・保存されるのか、はたまた解体されてしまうのか、この辺りについては続報を待つしかないですね。


ということで、リニューアルに伴う休園前の青梅鉄道公園訪問でした。

一部車両の入れ替えや車両展示用の上屋設置など、多少変わったところはあるものの、何度も書いているとおり、やはり懐かしいという印象が強く残りました。まだ詳細は未発表ですが、リニューアルされるとだいぶ変わるでしょうから休園する前に行けてよかったです。

今月末(8月末)で休園ということで残された時間はあとわずかですが、行ったことがある人もない人も、興味があればぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。


ーおしまいー