列に並んで待つこと約1時間。ついにデヤ7200の中へと入ることが出来ました。

ただし原形顔サイドの運転台(※7200系時代からある方)がお子様限定で記念撮影の場として開放されていた関係で、立ち入ることができたのは車内約3分の2ほどのスペースでした。
・・・とはいうものの、デヤ7200の特殊な車内をしっかり観察するには十分な空間です(笑)

さて、まずは一番奥にある運転台からチェック-。

東急フェスタ デヤ7200

7200系は元々2ハンドルの運転台だったのですが、デヤ7200に改造される過程で、お馴染みのワンハンドルマスコンタイプになっておりました。

・・・イメージ的には8590系のものに近い感じでしょうか?ただデヤ7200の用途が動力車ということだけあってか、営業線用の車両よりもスイッチ類がなんとなく少なく、シンプルな感じがします。

東急フェスタ デヤ7200

お次は旅客用車両の車内では決してみることのできないものの数々。

ATCを搭載していない車両と連結するためのジャンパ栓置き場や、たくさん並んだタンク類、天井に剥き出しで通った配管類などなど・・・まさに特殊な用途であるからこそ出来る内装ばかりです。

・・・それにしても現役時代、ずっと閉まりっぱなしで中が見えない窓があったのはこういうことだったのですね。車内に入ってみて初めて納得しました(笑)

また、ジャンパ栓置き場には7700系や1000系、8000系といった東急線で活躍する(orしていた)車両のもののほかに「マヤ」という気になる文字を発見!

現在、検測する時にはサヤ7590を連結して実施されますが、かつては旧国鉄から「マヤ」を借りて東急線内の検測を実施していたそうです。・・・ただデヤ7200とマヤが連結した、という記憶がないのですが、実際はあったのでしょうか?

東急フェスタ デヤ7200

お次はドア。こちらは車体と同様アルミ製のもののようで、イメージ的にはJR東日本の常磐緩行線などで活躍していた203系のような感じです。・・・これも現在の東急電鉄では見ることができない(※現在の東急電鉄の乗降ドアは全てステンレス製なので)大変貴重なものです。

また一方で、車内の一部箇所には座席のモケットがしっかりと残されており、かつては旅客用車両として活躍していたことがわかるものもありました。


短い時間ながら、最初で最後のデヤ7200の車内見学を満喫し、再び外へ。すると・・・

東急フェスタ デヤ7200

デヤ7200の回りには、私たちが到着した時とは比べ物にならない程のものすごい人だかりが出来ておりました(笑)

どうやら運転台撮影の子供たち(あるいはそのご家族の方)による幕回しが行われていたようで、写真にあるとおり緑色の「二子玉川園」のほか、「武蔵小山」といった昔懐かしい幕の数々が表示されておりました。皆さん、コマ1枚1まい毎に、一生懸命シャッターを切っていらっしゃいました。

・・・本当にデヤ7200は最後の最後まで幸せものだったな、と思う瞬間です。

会場での時間はあっという間に過ぎ去り、いつの間にかデヤ7200は夕日に照らされておりました。そんな姿を見て「さよなら」というには正直寂しい感じになってしまいましたので、心の中で感謝の言葉を述べつつ、会場を後にしたのでした-。

「今まで長い間本当にお疲れ様でした、ありがとうデヤ7200―。」


⇒次回へ続く